みんなに喜んでもらう忘年会の景品選び

忘年会の景品選びは職場で一番若手、つまり下っ端である私の重要な役割でした。

経費は会社から出るので、みんなが喜んでくれるような景品を人数分選ぶのが使命でした。

ビンゴゲームをして一位から順に景品をもらっていくのですが、用意されたものの中から自分で好きな賞品を選んでいくスタイルがわが社の忘年会ビンゴゲーム大会の恒例でした。

一位を取っても、決められていた賞品が気に入らなかったら嬉しくありません。

それぞれ好みや欲しいものは違いますし、誰は何を喜ぶだろうと思って用意したとしても、自分が欲しいものを選ぶ人ばかりではありません。

子供が喜ぶものを選びたい人、家出待っている奥さんへのご機嫌伺いのお土産にしたい人、色んな人がいます。

そのため、本当に多岐にわたるものを選んでいました。

私の前任者は面白い方で、どうせ考えて苦労して選んでも全員が喜ぶ事はなく、文句を言われるのも不快なので全部ギフトカードにすると決めていました。

景品に使える経費は限りがあるので、包みの中のギフトカードの値段が違って、一位の人から額面の高いギフトカードを引いて行くのだろうと思っていましたが、単純に同じギフトカードで揃えたのではありませんでした。

なんとも驚くような種類の、この街で使えるありったけの種類のギフトカードを用意してきたのです。

全国で使えるような商品券、図書カード、クオカードはもちろん、ビール券、お米券、スターバックスカードのギフト券、ハンバーガー屋さんの商品券、おもちゃ券などに加えて、笑ってしまうようなローカルなお店でしか使えない商品券もいくつかありました。

街に一件しかないラーメン屋さん商品券や、お花屋さんの券、整体マッサージ屋さんの券もありました。

よくこれだけ集めたな、とみな感心しつつ大笑いしてビンゴゲームに挑みました。

利用できる場の多い額面の高い金券を選んでいくだろうと思いきや、みなそれぞれ笑ってしまうような選び方をしていました。

これなら自分が使える、使いたいと思うような商品券を選ぶのはとても楽しく、それ狙っていたのに、とか、本当にそれ使うのか、とか、楽しく突っ込みあいながら選んでいきました。

変わってはいましたが、みんな楽しんでくれて、印象にも残るとても良い景品選びをされたと思います。

そんな前任者の引き継ぎが私だったので、非常に悩みました。

同じようにギフトカードで楽しむのも外れがなさそうだなと、所長に相談したのですが、あれは一回だけで二度目はうけないだろうなあ、と言われ、一から自分で考える事にしました。

考えに考え抜いた結果、一年目は食料品で統一することにしました。

一等用には魚沼産コシヒカリを選びました。

持って帰るのが大変なのも笑いの一つになると聞いていたので、美味しいと分かっている、値段も高いと分かっている、でも重い~持って帰るのは面倒くさい、それを乗り越えて持って帰る事を選ぶかどうかをみるのがみんなで楽しめると思ったのです。

その後はお菓子の詰め合わせや、果物、おせんべいやなど家族で楽しめる、あまり好みを選ばないものを用意しつつ、コーヒーにとてもこだわりのある社員がいたので、コーヒー豆の詰め合わせや、年配の方にも喜んでもらえそうなお茶やつくだ煮なども用意しました。

くだらないものも選ぶ必要があるので、地方のお土産キャラメル詰め合わせも作りました。

味噌キャラメルや、ラーメンキャラメルなど、いろいろなあまり美味しそうではないキャラメルをわざと選んで詰め合わせました。

これを選ばないといけないのが自分だったらちょっといやだな、と思いつつ、笑ってもらえるのを期待しながらリボンをかけました。

また、当時デパートでちょうどラーメンフェアを開催していたのとラーメン好きの男性社員がいたので、全国の名店ラーメン一袋ずつ10袋セットと、青汁の詰め合わせも用意しました。

ラーメンを美味しく食べながら、健康にも配慮しましょうとの思いからです。

結果は、みんなとても喜んでくれました。

忘年会で集まって盛り上がってからのビンゴゲームなので、もうみんなご機嫌になっているおかげでもありますが、とても誉めてもらうことができました。

おもしろい、とか、これ好きなんだよ、とか、これは自分向けに作ってくれたんでしょう、といろいろな方からコメントをもらえて本当に嬉しかったのを覚えています。

魚沼産コシヒカリは一位の人から五位の人までがみんな電車でこれを持って帰るはなあ、ほしいけどなあ、と迷って他を選び、六位の自家用車で通勤している社員が手にする事になりました。

車通勤でお酒が飲めないと嘆いていたその人が、車通勤で良かったとにこにこ笑顔でコシヒカリを手にするのを見て、用意して良かったと思いました。

ラッキー明日からコメがうまい、と喜んでくれたのが、とても嬉しかったです。

景品選びは面倒だし悩むものですが、みんなの喜ぶ顔を思い浮かべながらするととても楽しいです。

 

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最終更新日 2025年6月10日