コミュファ光は地域限定の格安インターネットサービス

コミュファ光は月額料金が非常に安いインターネット接続サービスであり、また品質も非常に良いことで全国的に知名度の高いサービスとなっています。
しかしその提供エリアが愛知県や岐阜県及び静岡県と三重県と長野県と言う、非常に限定された範囲となっているため、それ以外の地域では利用できないことが難点です。
なぜこのエリアに限定されているのかと言う点に疑問を持つ人も多いものですが、これはコミュファ光のサービス提供の仕組みと、その生い立ちに大きな関係があります。

コミュファ光はビジネス利用に適している

コミュファ光の起源

コミュファ光は、もともとは中部電力が自社の光ファイバー回線を利用してインターネット接続サービスやIP電話などを提供し始めたことが起源となっています。
当時はインターネットサービスの日本での黎明期が1段落し、その価格も比較的落ち着いてきた時期でもありました。
すでに1部の大手プロバイダーでは基幹部分を光ファイバーにすることでその高速性を確保していましたが、末端の部分はまだ光ファイバーがされていない状況となっており、そのために多くのエリアでは従来のようなアナログ回線を利用したインターネットの利用が一般的であった時代となっています。
この時代に、中部電力は自社の光ファイバー網を利用して効果的なサービスを地域向けに提供できないかと言うアイディアを持っていました。
そこで生まれたのがその自社の光ファイバーを利用したインターネット接続サービスとIP電話サービス、及びIP回線を利用したテレビ電話サービスです。

中部テレコミュニケーションと言う会社を設立し本格的に事業に乗り出す

これは当時では非常に画期的なものであり、光ファイバーを利用していることでその通信性が格段に高いことから、サービスを利用した利用者にとっては非常に喜ばれるものとなりました。
この好評価を受けて中部電力は具体的にこれをビジネスとして進めることになり、中部テレコミュニケーションと言う会社を設立し本格的に事業に乗り出します。
そのポイントは、プロバイダーを別途契約しなくてもインターネットをすぐに利用することができるプロバイダー一体型のインターネット接続サービスと、これを契約することで安価に利用することができるIP電話サービス及びIPテレビ電話サービスです。
これらは非常に品質が高いことと、価格が安いことから近隣の人々にとっては非常に受け入れられるものとなり、他社の追随を許さない価格と品質で独占的な人気を博すものとなりました。

auスマートバリューと呼ばれる決済サービスのみとなっている

コミュファ光は現在ではKDDIのサービスの1部となっていますが、これは中部テレコミュニケーションがKDDIグループに参加したことによるものであり、実際のサービスが中部テレコミュニケーションが引き続き提供を継続しています。
そのため、KDDIが自社で提供するauのインターネット接続サービスやその他の様々なサービスとは全く異なるものとなっており、唯一共通的に利用することができるのがauスマートバリューと呼ばれる決済サービスのみとなっているのが特徴です。
そのため通信制や価格もauのその他のサービスとは全く異なるものとなっており、非常に安く利用することができるのが特徴です。
コミュファ光の価格は月額が3980円で光ファイバーによるIP電話が含まれるものとなっており、これは他社の同等のサービスに比べ非常に安い金額となっています。
最近では4000円台でインターネット接続とIP電話を提供するところも存在していますが、このような金額を提供することができるのはいわゆるMVNO回線サービス事業者が多く、そのために通信速度が限定されてしまうことが少なくありません。

中部テレコミュニケーションが中部電力の設備を利用してサービスを提供

しかしコミュファ光は自社の回線設備を利用しており、その最大接続速度が1Gbpsと非常に高速であることから速度面でも他社の追随を許さないレベルとなっているのです。
このような品質と価格を実現できる背景には、中部テレコミュニケーションが中部電力の設備を利用してサービスを提供していることにあります。
中部テレコミュニケーションはこのサービスを行うにあたり設立された会社ですが、もともとは中部電力のプロバイダーサービス部門であり、サービス提供に利用する回線はもともと中部電力が社内利用のために設立したネットワークをもとにしています。
そのため一般の通信事業者のような設備を作るための投資が必要なく、効率的なサービスを低い設備投資で実現できたことがその背景にあります。
さらにエリアが限定されていることも安定したサービスを低価格で提供できる要因となっており、今後も全国展開をする計画はほとんど聞こえてきません。

まとめ

実際にサービスを提供しているエリアは中部電力が電力を供給しているエリアと重なっており、これからも中部電力が自らの通信網で利用している回線を効果的に利用し、サービスを提供していることがわかります。
残念ながら提供エリア外の人にとっては無縁なサービスとなっていますが、その品質が非常に高いために他社が脅威に感じているプロバイダーである事は間違いありません。

最終更新日 2025年6月10日